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 「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」が主催する「たこ焼きキャンプ」のブログ


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福島と保養について学ぶ講演会~いまひつようなこと~ (前編)

6月10日、福島の子どもを招きたい!明石プロジェクト(たこ焼きキャンプ)主催「福島と保養について学ぶ講演会~いまひつようなこと」を開催しました。

それに先立つ前日の9日、講師のお1人小河原律香さんと娘さん(ちーちゃん4歳)をお迎えして、たこキャンメンバーで食事会を開きました。
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昨年の震災・原発事故以来、人生が一変する多くの経験を越えてこられた小河原さん。ちーちゃんを連れて須賀川市の自宅から母子避難され、札幌、甲府と移り住みながら、被災者としての経験をベースに避難・保養などの支援を精力的におこなっておられます。
そんなお話も深くしてくださりつつ、めっちゃ気さくでおちゃめな小河原さん。
今年のたこキャンTシャツをお贈りすると、なんとさっそくお着替え!
「明日もこれ着よ!」と宣言。もうたこキャンスタッフの一員…?
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さて講演会当日。明石市文化博物館の大会議室はほぼ満席の盛況となりました。
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工場長の初々しい(?)司会進行で、明石プロジェクト代表のマスターこと小野洋のあいさつの後、振津かつみさんに「チェルノブイリとフクシマ ~健康と命を守る視点から」と題してお話をしていただきました。

振津さんは、内科臨床医として原爆被爆者の健康管理に携わられ、1991年に「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」を発足以来、毎年ベラルーシのチェルノブイリ被災地を訪問されています。昨年の東日本大震災以降、チェルノブイリでの経験をもとに、福島の子どもたちの支援にも深く携わっておられる方です。
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まず最初に、振津さんが福島県内に調査に行かれた際の写真や様々なデータ等を映しながら、福島原発事故から一年あまりがたった今の、放射能汚染と被ばくの現状についてお話してくださいました。

その汚染規模はチェルノブイリ事故に並ぶ規模であり、「放射線管理区域」に相当するレベルの汚染地が福島県の半分以上、県外にも広範囲に広がり、そこに400万人以上が居住し続けていること。
さまざまな汚染が広がり、健康だけでなくそこに住む人たちの「こころ、からだ、くらし」すべてが被害にあっており、家族やコミュニティ、生活基盤そのものが大きく損なわれていること。
被ばくの健康リスクが過小評価され、食品の放射能汚染基準も根拠が不明確なまま、原発を推進するために都合のいいいように定められている。福島の事故後、教育現場でも文科省が「副読本」を配布、原発事故のことには一切触れず、放射能汚染の影響を過小に教え込んでいることなど、被ばくの押しつけと原発の推進は表裏一体となって進められていることを具体的にお話しいただきました。
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一方、振津さんが長年かかわってこられたチェルノブイリ被災地の現状については、事故から26年をへて明らかになってきたこととして、事故後に生まれた子どもを含む甲状腺がん等の病気の増加、明確な病気にならなくても体内外両方からの慢性的な被ばくによるさまざまな健康への影響が見られること。しかし国際原子力機関(IAEA)等はこれを過小に評価し続けていること。
しかし、大切なのはチェルノブイリと福島を安易に重ねるのではなく、チェルノブイリ事故と福島の事故との類似性と相違点を冷静に見すえ、そこから教訓を得ることだと言われたのがとても印象的でした。
ここから、たこ焼きキャンプのような「保養キャンプ(保養プログラム)」の必要性について語ってくださいました。

子どもたちの被ばくを減らし、体力を回復させ、精神的ストレスからも解放するためには、一時的であれ、汚染地外で過ごすことはとても重要。
チェルノブイリの被災地では、事故後2年目から国の施策として、汚染地に住む子どもたちには年に2回、汚染地外のサナトリウム(保養所)やキャンプで過ごす機会が与えられるようになった。費用も全額国が負担している。
夏だけでなく、年間のいずれかの時期に、学年ごとやクラスごとで3週間から1ヵ月の保養に出かける。教師も同行し、サナトリウム滞在中も授業がおこなわれる。
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                     保養キャンプ中、福島に心をはせてメッセージを書いてくれた子どもたち。

事故から26年たって、汚染レベルが下がってきたという理由で、保養の回数が年1回に減らされた地域もあるが、子どもたちの保養制度は今も続けられている。国外への保養も盛んにおこなわれ、子どもたちが新しい世界に触れ、交流を通じて世界の人々との「心の絆」を深める機会ともなった。
チェルノブイリ被災地のこのような実践から、福島の事故後、全国あちこちでおこなわれるようになった「保養キャンプ」は大変意味・意義のあるもので、子どもたちが心身の健康を維持していくためにとても大切な活動であり、ぜひ継続していってほしいと話してくださいました。

また、専門家として「被ばくの健康リスク」をどうとらえるかについては、晩発性障害は低い線量であれ、線量に応じた頻度で生じるが、放射線のもたらす障害は証明することが困難であること。ただし、子どもたちへの健康影響は成人の約3倍の感受性があることが原爆での被ばく調査等でわかっていること。内部被ばくについては、特に長年過小評価がされていること。
そして、この事故の責任をどこに求め、どんな対策を求めるかについては、国と東電への責任を明確にさせ、補償をおこなわせることに加え、被ばくを低減するために必要な施策―避難・保養・除染・食品汚染調査をおこなう責任を負わせること、国家補償としての検診・医療費無料化などの保証、正しいデータの公表とそれに基づく食品等の「基準値」引き下げなど、多岐にわたるものであるともお話しされました。
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最後に、福島の問題は被災地だけの問題ではなく、全国に50基以上の原発をかかえる日本で誰にとってもひとごとではない。被災地からもメッセージを発してもらい、全国から連帯していくことなしには進んでいかない。
そもそも、核開発は差別と抑圧の構造の上に成り立ってきたもの(原発労働者の被ばく、ウラン採掘地の現地民の被ばく、放射性廃棄物処分の問題など)。社会のあり方、私たちの生き方そのものが問われていると結ばれました。

限られた時間の中でしたが、真摯な実践にもとづいた明晰な、そして心のこもったお話をしていただき、今回の福島原発の事故について広い視野から見直す機会となったように思います。

引き続いての小河原さんのお話については、また明日レポートします!



★スペシャルおまけ★


募金箱とちーちゃん(たこキャンT似合いすぎ!)
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Commented by ダンゴニーロ at 2012-06-12 18:18 x
一海さん!!力作報告、ありがとうございました!!やはり、文筆は深夜が似合う^m^
by takocamp | 2012-06-12 01:02 | Comments(1)