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 「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」が主催する「たこ焼きキャンプ」のブログ


by takocamp
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たこ焼きキャンプ、今年の秋の新企画は、《いわきスタディツアー》
私たちスタッフは何度も福島に通っていますが、たこキャンのボランティアさん、支援者の方からも、福島へ行ってみたい、現地の様子を見たいという声が以前からありました。
たこキャンに深くかかわってくださっている方たちを福島にご案内して、キャンプ参加の子や親御さんとも現地で交流できたら…
そんな思いから立ち上げた企画でした。

10月14日。
3人のボランティアさんの参加を得て、スタッフ3人と計6人の一行が関西を出発。東京で乗り換えて福島県いわき市の湯本温泉に到着、半日がかりの旅でした。

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以前、明石で講演していただいた里見喜生さんが出迎えてくださり、さっそく里見さんの経営する「古滝屋」さんへ。元禄時代創業の、老舗温泉旅館です。

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いわきの復興にかかわるさまざまな商品や、まるでミニ図書館のようにたくさんの書籍が置かれている古滝屋さんのロビー。

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棚の中に「たこやき通信」も発見!
ありがとうございます。

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さっそく、里見さんのご案内でスタディツアーに出発しました。
いわき市から、海沿いの道を北上し、広野町を過ぎ、楢葉町へ。

今となっては切ない思いで見上げざるを得ない、立派な立て看板がありました。

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2年前に避難指示が解除され、住民の帰還が始まった楢葉町。しかし里見さんの説明によると、町の人口約7500人のうち、戻って居住している方は1000人ほどだそうです。空き家を原発作業員に貸しているところが多く、人の出入りが激しいため町の落ち着きもなかなか戻らないのだとか。

楢葉町の仮設店舗に立ち寄りました。

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移動カフェでほっと一息。
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さらに北上し、福島第二原発に近づきます。
一部が現在も帰還困難区域となっている、富岡町へ。

これが、福島第二原発へ渡る橋です。

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第二原発の送電用鉄塔。

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富岡町の廃棄物処理場には、今も山のような廃棄物が積まれていました。

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放射性廃棄物を詰め込んだフレコンバッグが、敷地を埋めつくしています。

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津波で流され、壊滅した常磐線・富岡駅。
7年近くかけてようやく新しい駅舎が建ち、今月下旬の開通を待ちます。

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新しい富岡駅前。
できたてのお店も、すでに営業していました。

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元の場所から100mほど離れた場所に建てられた、新しい富岡駅舎。
オープンを待っています。

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私たちスタッフが2年前に訪れたときは、この富岡駅前は津波の被災のあとが生々しく残っていました。
駅はホームだけが残り、近くには一階部分がすべてえぐれた家屋に自動車が突っ込んだままになっていたり、へしゃげた建材があちこちに散っていたり…。
今ではそれらはすべて撤去され、更地になった上に新しい建物が建ち始めています。
ただし、これらの新しい家も、まだ住む人はわずかとのこと。

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里見さんによると、富岡町は今年4月から避難解除(帰還困難区域を除く)となったものの、住民の1パーセントしか帰還しておらず、子どもの数はゼロとのことです。

「ここはぜひ立ち寄ってください」という里見さんに連れられて訪れた、小さな公園。
そこには、津波で亡くなった2人の警官の乗っていたパトカーが置かれていました。
当日、非番であったにもかかわらず出動し、住民を避難させていて津波にのまれたそうです。
被災のすさまじさを語る車体の痛ましい姿に、言葉もなく手を合わせました。

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富岡町のシンボル、夜ノ森(よのもり)桜並木。
原発事故以来、誰も見ることのなくなった満開の桜がテレビや新聞で毎年のように映し出されてきました。雨の降る中、車の中からでしたが、その見事な並木道の様子はよくわかりました。
今年から避難解除はされたとはいえ、かつてのように大勢の住民がここで憩う日々は遠いものとなってしまいました。

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近くで、ガソリンスタンドが営業を始めていました。
ただし、従業員の方は遠くいわきから毎日通ってこられているとのこと。
このすぐ向こうの通りの奥は、柵で遮断された帰還困難区域なのです。

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帰還困難区域内の住宅。
あたりまえの家族の暮らしがあった家々が、朽ちつつある姿となって立ち並んでいます。

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常磐線・夜ノ森駅にかかる橋の上。
さきほどの富岡駅の、北隣の駅です。
常磐線は数年内の全線復旧をめざし、線路とその周辺の除染を加速させているとのこと。

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夜ノ森駅でも、復旧作業と除染が進んでいる様子。
これらのフレコンバッグはどこにいくのでしょう。

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こころみに、アスファルト上や植え込み部分などで放射線量を測ってみました。
およそ0.88マイクロシーベルト。


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里見さんによると、今も福島第二原発の方は廃炉を明言しておらず、再開に含みをもたせたまま。最近の福島県内のアンケート結果では、県民の15パーセントが「原発は必要」と答えているとのことです。何とも複雑な思いになりました。

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いわきに戻る途中に立ち寄った四倉インターの食堂にも、震災についての掲示物が。

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古滝屋さんに戻り、夕方からは懇親会。
たこキャン参加者のうち、いわき市に住む3家族が会いに来てくださいました!
数年ぶりの再会もあり、なつかしくうれしい時間。

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ボランティアさんたちとは初対面の親御さんも多く、次第に話がはずみました。

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里見さんと一緒に明石の講演会でお話ししてくれた、りんごちゃんこと榊裕美さんもうれしい飛び入り参加。

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お忙しい中、集まってくださった親子さんに感謝です!

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すっかりお姉さんになって… 
感激の再会でした。

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夕食会。楽しく飲んだり食べたりの中で、子どもたちや親御さんたちと、ボランティアさんとの話の輪がたくさん広がっていきました。

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里見さんも、多忙をぬって途中からご参加くださいました。

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たこキャンがつなぐ縁!?
どちらもいい笑顔!
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夜遅くまでおつきあいくださった親子のみなさん、里見さん、ありがとうございました!
このあとはもちろん古滝屋さんのすばらしい温泉をたっぷり味わい、一同眠りにつきました。



翌日、10月15日。
ふたたび里見さんの案内で、いわき市小名浜(おなはま)を訪ねました。

小名浜港はいわきの食を支える豊かな漁港として栄えてきましたが、津波の被害を受け、原発事故の影響もあり、漁場は大きな打撃を受けました。その後、さまざまな施設の復旧や新築が進んでいます。

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鮮魚店や土産物店が多数入った、小名浜港の「いわき・ら・ら・ミュウ」。
地元ならではの海の幸も売られていました。

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「ら・ら・ミュウ」2階に設けられた常設展示、「3.11 いわきの東日本大震災展」。

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あの津波のときの惨状を写した動画や、さまざまな被災の状況がわかりやすく展示されていました。

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「放射能に負けない、がんばる」と書く、いわきの子どもたちの宣言文のコーナーでは、頼もしさと同時に大人の深い責任を感じ、胸が痛みました。

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2日間にわたり、懇切丁寧なスタディツアーをおこなってくださった里見さんとは、ここでお別れです。
今回もまた、たこキャンがお世話になりました。ほんとうにありがとうございました。
ぜひまた関西へお越しください!

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その後、三春町の自然食のお店、「えすぺり」で昼食をとりました。


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こちらは震災前から人形劇団を主宰し、エコロジーな活動を地元で展開してこられた大河原さんのお店です。
居心地のよい店内で身体にやさしい、おいしいランチをいただき、無農薬野菜やパンなどをお土産に購入。

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昼食後に向かったのは、浪江町の西隣に位置する村、葛尾村。
紹介してくださる方があり、葛尾村の村会議員、松本操さんのお話を聴きにうかがいました。

山深いと聞いていた葛尾村ですが、道路もきれいに整備され、なんとも風光明媚な美しい場所でした。
しかし、ちょうど稲刈りのシーズンで豊かに実った稲穂が干されているすぐそばで、緑のシートに覆われたフレコンバッグの広大な群れが広がっており、その光景にはやはり衝撃を受けました。
(注・あとで松本さんにうかがったところ、遮断性の高い置き方をしているため、付近の田畑への影響は数値上ほぼないとおっしゃっていました)

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松本さんのご自宅は、昔ながらの農家の造りの立派なお宅。すぐ後ろには山が迫っています。
ぞろぞろとうかがった面々を、温かく出迎えてくださいました。

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元は9人家族で、にぎやかにこの家で暮らしておられた松本さん。
家屋はあの震災でもびくともしなかったそうですが、避難指示で三春町の仮設住宅に避難し、やがて家族はバラバラになってしまいました。避難解除を受けて、この家に戻ってきたのは家族で松本さんだけ。時折お子さんやお孫さんたちが訪ねてくるのを楽しみに、ここでひとり暮らしをしておられるそうです。
家の除染はすでに終わったものの、裏山の斜面は20~30mくらいまでしか除染してもらえず、もっと広範囲の除染を申請しても受けつけてもらえないとのこと。

1600人いた村民中、戻ってきたのはごくわずか。やはり、子どもはひとりも戻っていません。
それでも来春には葛尾村の小学校・中学校が再開する予定で、体育館やプールも新築し、子どもたちを待つ態勢はできたものの、三春町など仮住まい先から通学予定の子どもは小中合わせて18人だそうです(元の在校生数は約280人)。松本さんのお孫さんたちも、すでに別の地域の学校になじみ、そちらで暮らしていく予定だとか。

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仮設にいる間も、自分で企画を考えて観光バスのドライバーとして働いておられたという松本さん。そして2年前、村議に。なかなか思い通りにいかないことが多いそうですが、少しでも村の未来につながるよう、特産物を考えて果樹を植えたり、稲作りを再開したり。ハコモノを作ることに資金を使うのではなく、村民の柱になるようなコミュニティ作りが大切だと力説しておられました。

今回の震災は「未曾有の災害ではない」と松本さんは言われていました。「千年前にはあったんだもの。日本は原発を作ってはダメなんだよ。プレートに囲まれて、いつまた大地震が来るかわかんないんだから」。
その言葉には、当事者としての確かな真実がこもっていました。

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人懐こい口ぶりの中にも一本芯の通った信念が感じ取れる松本さんでしたが、
「それでもなあ。さびしいよ。誰もいねえんだもの。…もう帰んのかい?泊まってってもいいんだよ」
という言葉が深く響きました。地震、津波、原発事故…人生が大きく変えられ、それでも懸命に前を向いて生きていく姿を胸に刻みたいと思います。
そして、私たちのキャンプの活動を、
「これからの子どもたちに大切な体験をさせてくれて、最高のことをしてくれてるよ」
と言ってくださったこと、とてもうれしく感じました。

葛尾村には、関西からも支援者が移り住んで農業に取り組んでいるとのことで、ご自身も関西で講演されたりとご縁も感じさせられました。ぜひまたお目にかかり、もっといろいろなお話をうかがえたらと思いました。
松本操さん、温かくお迎えいただき、さまざまなお話を聴かせてくださりほんとうにありがとうございました。

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庭先には美しい花がたくさん咲いていました。

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2日間にわたる、いわきスタディツアーの報告、いかがでしたか?
スタッフとしては、参加したボランティアさんのおひとりから帰り道に、
「保養キャンプをこれからもずっと続けていかなければならない理由がわかりました」
と言われたのが印象的でした。
今回、初めての企画でしたが、キャンプ参加の親御さんと話せたこともボランティアさんたちにも喜んでいただけたようでした。ほんのわずかでも関西と福島をつなぐきっかけになれば、と感じています。

お忙しい中ご参加いただいたボランティアさん、集まってくださったいわきのご家族、里見さんや松本さんはじめ、ご協力いただいた方々に心からお礼申し上げます。

※この事業は認定NPO法人 しみん基金•こうべの助成も受けて実施しました。




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by takocamp | 2017-10-20 18:30 | イベント・講演会 | Comments(1)