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 「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」が主催する「たこ焼きキャンプ」のブログ


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11月1日に明石市生涯学習センターにて、今年のたこ焼きキャンプの報告会をおこないました!
あいにくのお天気にもかかわらず、たくさんの方が足を運んでくださいました。
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◆今年のキャンプの報告◆
  

最初に、子ども担当スタッフ・みーこさんこと追原三重が、キャンプの写真や資料をみなさんにお見せしながら今年のたこキャンの報告をおこないました。
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昨年12月の同窓会、そして今年の春休みに福島県内で開催した初めての試み――「中だこ会議」で、子どもたちがキャンプの内容やルールを話し合って決め、とても活発な意見がかわされたこと。
スタッフが子どもたちの意見を否定せず、まずは受けとめながらサポートしていく中で、今年は自分たちでメニューを決めての食事作り、持ち物のルールやキャンプ中のお出かけ先まで、子どもたちが主体になってさまざまなことを決めていった経緯を具体的にお話しました。

実際のキャンプ期間中も、小さな失敗や反省もある中で、自分たちで決めたことを実行していくことで子どもたちの中に充実感が生まれていった様子が、写真とともにみなさんに伝わったのではと思います。



◆たこ焼きキャンプの今後の方向性について◆

次に、代表のマスターこと小野洋が、たこキャンのこれからについてお話ししました。
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とにかく被災地の子どもたちを招いて安心して過ごしてもらいたい、という思いで実施した1年目から、時間がたつにつれて状況は変わってきている。そんな中でも、被災地に在住する人たちの中で放射能問題や保養に取り組むグループができつつあると感じている。そういった流れを支援していく必要がある。
たこキャンはリピーターの参加者が多いこともあり、親子ともにスタッフとの間に信頼関係を築いている。だからこそ可能なことがある。
とはいえ、2014年のたこキャンは100万円ほどの赤字。300万ほど手持ち資金があるが、あと3年間で消滅してしまう。福島県も助成金を出しているが、制約が非常に厳しい。
例えば、福島県外の団体は助成金を申請できない(福島県内の団体が主催でないといけない)という規定があるため、2014年夏の時点で申請したのは8団体のみだった。6泊7日以上でないと助成されないという日程の制約も大きい。そのため、福島県内のみの団体で申請したという声は聞かない。このまま利用実績がないと、助成金がなくなるかもしれない。
そのような状況の中で、たこ焼きキャンプでは、現地に親御さんの団体を作ろうとしている。2015年のキャンプは親御さんの団体を主催にしようと考えている。これからもどうか息長い支援をお願いしたい。



◆保養をめぐる状況について◆

続いて本日のゲスト、「大阪でひとやすみ!プロジェクト」「ゆっくりすっぺin関西」代表の宇野田陽子さんにお話ししていただきました。
宇野田さんは震災直後から主に南相馬市に通い、障がいのある子どもたちのサポートをおこなってこられました。また、被災地の子どもたちを関西に保養に招いたり、関西一円の保養にかかわる団体や個人をつなぐネットワークを作るなど、幅広い活動を続けておられます。
この日の宇野田さんのお話を要約してお伝えします。
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私自身、言語のリハビリの仕事をしていて、2年前に南相馬に行った。南相馬は津波被害、放射線被害を複合的に受けている地域。当時は避難区域で帰れない人が多かった。医療者も含め、被災者を支えている人もまた被災者なんだということを感じた。
(たこキャンがやっているような)子ども中心というあり方はすごく大事だと思う。事故直後だったら緊急支援もありだったが、2年3年たつと、むしろ相手のエンパワーメントを奪わないようにする必要があると感じている。

(汚染土の袋が林立する様子や、津波の爪痕がそのまま残っている様子を写真で見せながら)行くたびに、除染で出た汚染土もどんどんたまってきていると感じる。
(京都大学原子炉実験所の)今中哲二さんは次のように言われている。

●原発で大事故がおきると、まわりの村や町がなくなり、地域社会が消滅する。
●放射線被曝は健康影響の原因のひとつに過ぎない。また、健康影響は被害全体の一部に過ぎない。(下記注)

(被災した人が)原発のことを話せないのは、意気地がないからではなく、相手のことを気遣ったりしていることもあると思う。差別や中傷、将来への不安が大きい。賠償金の問題1つとっても、根深い問題があると感じている。大きなメディアだと美談にすることが多く、取り残されたり傷ついていたりする人がいる。福島の人はこうだというステレオタイプ的なことを聞くと腹立たしい。また、このところ震災関連死は認定されにくくなっているとはいうが、現実には今でも増えている。

南相馬で障がいのある子のお母さんに保養の話をすると、知らない人がほとんど。インターネットを使っていないお母さんが多い。そして知ってからも、障がいがあるから(うちの子は)参加できないでしょという反応が返ってくる。それはおかしいと思い、関西で受け入れの活動をしている。保養から帰ったあとに、参加した子どもに活力が生じたと聞いている。これからも続けていきたい。
社会福祉法人が運営している(障がいのある子たちの)施設の庭などは、学校でもないし保育園でもないということで除染の対象にならない。本当に外で遊んでほしい子どもが遊べていない現状がある。

日本における保養は、ウクライナやベラルーシとは違って、日本なりの意義や目的を見出す必要があると思う。今、弱みを見せると社会的に排除される風潮があるのはゆゆしき問題。心の傷はこれから顕在化していくということを最後に言いたい。


◇記者注:宇野田さんが紹介された今中哲二さんの言葉について、詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
特に2番目の言葉「放射線被曝は健康影響の原因のひとつに過ぎない…」については、放射線被曝を軽視するものではなく、さらに重層的な被害が存在している、という意味であることがおわかりいただけると思います。
●チェルノブイリ原発事故の調査を通じて学んだこと
http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/Pub/41/41-imanaka.pdf
●チェルノブイリ20年:事故の経過、汚染、被曝、影響
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No102/imanaka060414.pdf



◆参加者との懇談会◆

宇野田さんのお話のあと、休憩をはさんで参加者との懇談会をおこないました。

参加者:たこ焼きキャンプの設立が震災後すぐの6月というのは早いと思ったが、その経緯を教えてほしい。
スタッフ:震災直後から被災地の子どもたちを何とかして少しでも逃がせないかと考えていたが、どう動いていいかわからず悶々としていた。 ちょうど同じころ、子どもと関わる活動をしていた知人たちから「たとえ少人数でも、できる範囲で招こう」と声が上がり、なるほどと感じて一緒に動き出した。
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参加者:子どもが調理したのはどうだったか? うちの保養キャンプでは、子どもにさせようとしたら調理担当の負担が増して大変になってしまった。
スタッフ:今回は子どもたち自身が話し合って決めたメニューを作ったので、モチベーションが上がっていた。あらかじめ順を追って準備を進めていったことでうまくいったと思う。
参加者:させたいという気持ちがあるが、時間とスタッフの人数の都合もある。また、食材で何が来るかわからない状況。その素材をどう生かすかを毎日悩む。
スタッフ:まな板や包丁の数を、子どもにあわせてそろえた。また、子どもが提案するメニューは野菜があまり入っていないので、味噌汁などに野菜を組み入れていった。子どもたちが作りたいメニューを尊重しつつ、どのように野菜を入れていくのかを考えている。子どもからメニューがあがってくるのがぎりぎりで、そこはつらかった。
また、3年目に野菜をいただき過ぎてしまったので、今年はこちらから支援者に対して具体的なリクエストをさせてもらった。おかげで、今年はさばける範囲内でいただくことができた。余った根菜類は子どもたちに持って帰ってもらい、喜ばれている。

スタッフ:阪神淡路の震災のときは希望があったが、今回は被災地の人たちはどんな風に受けとめているのか。
宇野田さん:こんな風に受けとめている、とは言えない。いい感じで進んでいける人と、どんどんつらくなっていく人と、差が開いている状態があるので、いろいろだと思う。寿命が短くなってもいいからここに住むと決めた人もいて、そうでない人もいる。外部の人から「危ない」と言われたら「大丈夫」と答え、「大丈夫」と言われたら「危ない」と答えるような複雑な心境だと思う。
スタッフ:震災の年に現地で会った人が、「ここで生まれたからここで住みたい」と話してくれた。複雑な気持ち。福島の人は我慢強いというのは県民性ではないような気もする。国や東電がなぜきちんとやらないのかという怒りは現地では?
宇野田さん:めっちゃあります。

参加者:怒りがある人とない人と、本当にいろんな意見がある。保養で関西にきていろんなことを知り、避難した人も知っている。外部から言われると嫌という気持ちと、今、現にここで(福島で)生活しているんだからという気持ちがある。
保養をおこなっている団体が多く、すごいなと思っている。こういう人たちがつながっていくと被災地の人につなげられるのではないか。
スタッフ:移動教室も制度的には福島県外でおこなえるのに、ほとんどが県内でしかおこなわれていない。保養にもいろいろなやり方があればいいと思う。それぞれの団体がやりやすい方法をとればいいと思う。福島にいる子どもたちとともに、可能な限りこの活動を続けたいという思いでいる。今後も継続していける方法を模索していきたい。



宇野田さんの、被災地に寄り添う深い視点に立ったお話、そして遠方からも含む参加者との懇談も含め、とても充実した集まりとなりました。
どれだけの方が来てくれるだろう?とちょっぴり心配だった報告会でしたが、支援してくださる方たちへのご報告とともに、今後もさらに被災地を思い、つながっていくための小さな一歩になったのではと思います。

宇野田陽子さん、ご参加くださったみなさん、本当にありがとうございました!
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by takocamp | 2014-11-15 02:26 | たこ焼きキャンプ2014 | Comments(2)